床、一般のEスコア解説~初級編~
今回は床のEスコアと全体に共通しているEスコアについての解説です。
体操をテレビで見ててなんでこんな低いの?!みたいに思うことが多々あると思いますがその原因はどこで減点されるかわからないことからきていると思います。
なので今回はざっくりと全体的なEスコアの話を絡めながらやっていこうとおもいます
まず体操のEスコアは10点からの減点方式で点数が決定されます。
ぶっちゃけEスコアには正解はないです。見る人、見る角度によって膝、つま先、腰の曲がり具合などが違って見えてくるからです。
そのため、公式戦ではE審判は5人用意され、点数を一番高くつけた人の点数と一番低くつけた人の点数をカットして残りの三人の点数の平均が最終的なEスコアになります。
だから例えば5人の審判がそれぞれ
8.6、8.3、9.0、8.0、8.2
と点数を出したとします。この場合、一番高い点数が9.0、一番低い点数が8.0なのでその二人の点数をなくして残りの三つの点数を足して3で割ります。
なのでこの場合のEスコアは8.366となります。割り切れない場合は切り捨てです。
だからテレビなどで表示されている点数は審判が話し合ってこの点数にしているわけではなく機械的に足し算割り算をしているだけですね。
実際どういうところで減点されるのかというと、いっぱい減点項目はあるんですがざっくりいうと汚かったら減点されます。
採点規則の第9章に
「選手は、安全が保証され、美的に洗練され、かつ技術的に習熟していることが求められる」
という一文があります。
これは何て言っているのかというとようは完璧な技以外やるなってことですね。この一文はある一定層の選手たちに捧げたい。
なので完璧な技以外は減点されていきます。
完璧でない要素として
伸ばさなければいけない場面でつま先、膝、腰、肘が曲がっている、着地が止まらない、倒立が止まらない、転ぶ、器具から落下する
などがあります。
その失敗具合に対して
小欠点:0.1、中欠点:0.3、大欠点:0.5、転倒、落下:1.0
の減点がなされていくわけです。着地で小さく動いたら0.1、大きく動いたら0.3減点的な。
まあ言葉でうだうだ書き連ねてもよくわからないと思うので映像で解説していきます。
Sam Mikulak – Floor Exercise – 2018 U.S. Gymnastics Championships – Senior Men Day 2
アメリカのミクラック選手の床の演技。
この選手は割と丁寧な実施をするので個人的にはすごい好き。
点数は
Dスコア:5.7
Eスコア:8.65
決定点:14.35
アメリカの採点は割と甘い印象があるんで自分が採点したらこれより少し厳しくなっちゃいました。
さて、技ごとに解説していきます。あくまで自分の採点なのでこの時の審判の先生と完全に減点箇所が一致しているわけではないので参考程度で。
一節目:後方二回半ひねり~前方二回宙返り(D難度+D難度、0.2の加点)
一つ目の後方二回半ひねりは特に減点なし
二つ目の前方二回宙返りは0.5の減点
膝がくっついていない(脚割れ):0.1
つま先が伸びていない:0.1
着地で大きく一歩動いた:0.3
二節目:前方二回ひねり~前方抱え込み一回ひねり(D難度+B難度、0.1の加点)
一つ目の前方二回ひねりは減点なし
二つ目の前方抱え込み一回ひねりは0.2の減点
抱え込み姿勢が不明瞭:0.1
着地で小さく一歩:0.1
アクロバット以外の技:シュピンデルゴゴラーゼ、ゴゴラーゼ(D難度、C難度)
ダンサーがやってそうな技のやつです
このふたつに関しては特に減点はなし。
グループⅠのアクロバット以外の技で減点されるときっていうのは姿勢減点、静止時間不足くらいかなと。宙返り系に比べて減点は甘くなってる印象
三節目:後方一回半ひねり~前方伸身一回ひねり(C難度~C難度)
一つ目の後方一回半は特に減点無し
二つ目の前方伸身一回ひねりは0.4の減点
宙返りの高さ不足:0.3
膝の曲がり:0.1
四節目:後方二回ひねり
0.1の減点
空中姿勢:0.1
最終節:後方三回ひねり
0.4の減点
着地で大きく一歩:0.3
着地時の腰とり:0.1
上記の減点を合計して1.6の減点
10点から引いて8.4となりました
0.25違うのはまあ誤差です。
床は今のルールだと着地をいかに止めるかなんで着地を止めれば高いEスコアはでるのかなって感じです。
長くなりましたがこんな感じで終わります