あん馬のDスコア算出方法
今回は床に続きあん馬のDスコア算出方法を解説していこうと思います。
あん馬は体操やってない人からしたら地味な種目であんまり面白そうに見えない種目なのかなと思います。最近では開脚旋回系の技が優遇されたりしてかっこよく見える演技が増えてきたのかなと。
地味だけど渋さはあるので見てる分には結構好きです
個人的には現役の頃から苦手で嫌いでした
審判的には慣れてしまえばどうってことはない種目なんですが最初の頃はD審的にはフロップ、コンバインをとるのが難しかったり、E審的には初級者レベルの採点が大変なことになったりでした。
・特別要求
あん馬の特別要求は以下のようになります。
Ⅰ:片足技
Ⅱ:旋回技、転向技
Ⅲ:移動、転向移動技
Ⅳ:終末技
片足技はクルクル回ってないやつ。
旋回技、転向技はその場でクルクル回ってるやつ(ブスナリは移動してるけどここ)。
移動、転向移動技は動きながらクルクルしてるやつ。
こんな感じの認識でいいと思います。
基本的には一周で1技って認識で大丈夫ですが、例外があって、それがフロップとコンバインという技です。
うまい人たちは基本的に入れている技で一つのポメル(取っ手)上で何周も回ることで難度が上がる技です。細かい解説を入れると
1ポメル上で旋回と転向技を合計三周することでD難度のDフロップ、4周することでE難度のEフロップになります。ちなみにこれを開脚旋回で行うとそれぞれ難度が1段階上がります。
旋回1周 | 旋回2周 | ロシアン転向(°) |
B+B | D | 180 or 270 |
D | E | 360 or 540 |
E | F | 720 or 900 |
F | G | 1080以上 |
こんな感じの難度になります。ロシアン転向はうつぶせのままてけてけしてるやつです。説明難しい。
旋回倒立の難度アップの仕組みは
倒立に上げる→難度一つアップ
端から端まで移動→難度一つアップ
360°以上ひねる→難度一つアップ
倒立から降ろして旋回→難度一つアップ
という仕組みになっています。なのでブスナリは
逆リアから倒立に挙げてB→C、そこから移動してC→D戻ってきて360°ひねったことになるのでD→E、そこから降ろして旋回でE→F
という仕組みになっています。
では実際の演技でDスコアを計算してみましょう。
KAMEYAMA Kohei (JPN) - 2017 Artistic Worlds, Montréal (CAN) - Qualifications Pommel Horse
亀山選手の演技です。途中ミスはありますがやはりつま先までとてもきれいで感動します。
この演技の構成は次のようになっています。
技名 | 難度 | グループ |
ブスナリ | F | Ⅰ |
セア倒立(リーニン) | D | Ⅰ |
Eフロップ(b, l, l, b) | E | Ⅱ |
Eコンバイン(l, l, r 360°) | E | Ⅱ |
ポメル間ロシアン360° | C | Ⅱ |
マジャール移動 | D | Ⅲ |
シバド移動 | D | Ⅲ |
ロス | D | Ⅲ |
ウゴニアン | E | Ⅲ |
逆リア倒立3/3移動降り | D | Ⅳ |
難度点 | 4.4 |
()の中のb, l, r はそれぞれBシュテクリ、ループ(1ポメル上での旋回)、ロシアン転向になります。
上で説明した技がすべて入っていて解説したのを読んでから動画を見るとわかりやすいかと思います。
次回は筋肉ゲーつり輪の解説をすると思います