床のDスコアの計算方法
二日続けて記事を書くのを休んでしまいすいません。PCを職場に忘れてしましました。
今回はタイトル通り、床のDの採点方法についてです。
個人的に審判をやっているときDをとるのが一番大変なのがこの種目です。
なぜかというと結構初心者からでも10技詰め込んできたりうまい人であれば加点を考慮したりしなければならないからですね。
ところで今更ですが公式の採点規則をいかに張っておきます。
http://www.fig-gymnastics.com/publicdir/rules/files/en_MAG%20CoP%202017%20-%202020.pdf
日本語版はお金を体操協会に払って買うしかないですが英語が読める方は上のリンクからで十分ですね。
一応採点規則が欲しいという方向けにリンクを張っておきますね
さて、床のDの解説を始めたいと思います。
・床の特別要求
Ⅰ:跳躍技以外の技
Ⅱ:前方系の跳躍技
Ⅲ:後方系の跳躍技
Ⅳ:終末技
となっています。
Ⅰは倒立や旋回技や力業
Ⅱは前宙やシライ2など前向きに回る技
Ⅲはバク転やシライ/グエンなど後ろ向きに回る技
Ⅳの終末技は床の場合特殊でグループⅡとⅢで代用することになります。
【細かいのであまりルールに詳しくない人は飛ばすことを推奨】
グループ要求を埋めるために例えば終末技を後方三回ひねりにしたとします。
演技中に行ったグループⅢの技が終末技の後方三回ひねりだけだったとします。
この場合、終末技のグループが優先され後方三回ひねりはグループⅢではなく、グループⅣとなります。
この場合に起きる問題としてグループⅢが演技中に行っていないことになりグループⅢの特別要求を埋められないことになり、0.5点もらえなくなります。
なので床で演技構成を作るときに注意しないといけない点になります。
・加点について
現行の一般ルールだと床と鉄棒にだけDスコアに加点があります。
簡単に言うと難しい技を連続で行った場合プラスアルファで点数をもらえるといった感じです。
どのくらいもらえるかというと
(D難度以上の跳躍技)+(D難度以上の跳躍技):0.2
(D難度以上の跳躍技)+(B,C難度の跳躍技) :0.1
といった具合です。
この加点をもらえるのは一つの演技に二箇所までなので最大で0.4点もらえます
ルール改正は前サイクルの一番うまい人を殺しにかかる傾向があるので白井健三君の演技を殺すために加点の箇所に制限を付けたのだと邪推
3連続でやって一気に二個加点をもらってもいいし二連続を二回やって二個加点をもらうのも自由です。
ここで実際の演技で解説していきましょうか。
SHIRAI Kenzo (JPN) - 2017 Artistic Worlds, Montréal (CAN) - Qualifications Floor Exercise
今となっては超有名人白井健三君の演技です。
演技構成は以下のようになっています。最後の括弧は(グループ・難度)
シライ3(伸身リジョンソン)(Ⅲ・H)
リジョンソン(後方二回宙返り三回ひねり)(Ⅲ・G)
後方2回半ひねり(Ⅲ・D)~前方2回半ひねり(Ⅱ・E)
前方抱え込み一回ひねり(Ⅱ・B)~シライ2(前方三回ひねり)(Ⅱ・F)
閉脚エンドーロール(前転して倒立になるやつ)(Ⅰ・C)
後方三回半ひねり(Ⅲ・E) ~ 前方伸身一回ひねり(Ⅱ・C)
シライ/グエン(後方伸身4回ひねり)(Ⅳ(Ⅲ)・F)
グループ要求:2.0
難度点:4.9
加点:0.3
でDスコアが7.2となります。やばいですね。
赤字の部分が加点に使われた箇所になります。
青字の部分は加点は二箇所までという規制に引っ掛かり加点は得られません。
バク転はグループ5技規制、または全体の10技規制により難度が低いので技数に入らないというわけです。
今日はこんな感じで終わりたいと思います。
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